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加西市の内科・消化器内科・循環器内科 小野寺医院

多汗症

ボツリヌス療法(ボトックス)

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌の作り出すA型ボツリヌス毒素をごく少量投与する治療法です。ボトックス注射は、天然のタンパク質からできたボツリヌス毒素を分解、精製したもので、ボツリヌス菌が直接体内に入るわけではないので、感染の危険性はありません。
ワキ汗はエクリン汗腺と呼ばれる腺から分泌されます。この汗腺はアセチルコリンを神経伝達物質とする交感神経節後ニューロンに支配されています。A型ボツリヌス毒素は神経終末におけるアセチルコリンの放出を阻害し、神経から汗腺への神経伝達を遮断することで、発汗を抑制します。

ボトックス注射



ボツリヌス療法の治療方法・期待できる効果

両ワキに細かくボトックスを注射していくことで、局所の過剰な発汗を抑制していきます。ボトックスの効果は通常、注射後2〜3日で現れ、1〜2週間で安定します。
遮断された伝達は、数ヶ月で回復するため、発汗抑制効果を維持するためには反復投与が必要です。効果持続期間は、個人差がありますが、国内外のデータで通常4〜9か月とされています。効果減弱後はボトックスの再投与が可能ですが、中和抗体の出現を避けるため最低4か月は間隔をあけさせていただきます。


ボツリヌス療法の副作用

原発性腋窩多汗症患者を対象とした国内臨床試験において、総症例144人中3人(2.1%)に副作用が報告されています。その内訳は、ワキ以外からの発汗の増加3人、四肢痛1人でした。アレルギー性の副作用として、皮膚の発疹、かゆみや消化器症状(吐き気、腹痛)、息苦しさ、声のかすれ、ショック症状などの副作用が起こる可能性も否定できません。


次のような方はボツリヌス療法を受ける前に、必ず医師に申し出てください。
  • 全身性の筋肉の脱力などの病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)がある場合は、病状が悪化する可能性があるため使用できません。
  • 喘息などの慢性的な呼吸器の症状がある方、緑内障の方、アミノグリコシド系抗生物質、パーキンソン病の治療薬、精神安定剤、筋弛緩剤を内服中の方は、病状が悪化する可能性があるため使用できません。
  • 妊娠中、授乳中の方。妊娠の可能性のある方は、ボトックスの投与中及び最終投与後の2回の月経を経るまでは避妊してください。
  • 男性は、ボトックスの投与中及び最終投与後の少なくとも3ヶ月は避妊してください。
  • この薬を以前使用し、発疹などのアレルギーを経験したことがある場合や、アレルギー体質の方は申告してください。
  • 他の施設でボツリヌストキシンの投与を受けている場合には、投与量や投与日、投与部位を必ず申し出てください。

ボツリヌス療法を受けたあとには、次のようなことにご注意ください。
  • 注射部位を揉まないでください。薬剤が必要範囲外まで広がり危険です。
  • 注射当日は、入浴や激しい運動は控えてください。
  • 妊娠の可能性のある方は、ボトックスの投与中及び最終投与後の2回の月経を経るまでは避妊してください。
  • 男性は、ボトックスの投与中及び最終投与後の少なくとも3ヶ月は避妊してください。

ボツリヌス療法の費用

満15歳以上の、重症原発性腋窩多汗症の方は、保険診療にてボツリヌス療法を受けていただくことが可能です。そのためには診断と重症度の評価が必要です。条件を満たされた方のみとなりますので、ご了承ください。また、保険適応があると診断後に薬剤の発注を行うので施術まで1〜2週間いただくことがあります。
上記の診断基準を満たさなくても、ワキ汗を止めたい方は、自費診療にてボツリヌス療法を受けていただくことが可能です。詳細は料金表をごらんください。


パースピレックス

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0790-48-3737